君のとなりで恋をします。─下─
「葵ちゃん…
私ね、自分の気持ちが分からないの。」
「え…?」
俺はてっきり、彼女が次に発する言葉は〝ごめんなさい〟とか〝付き合えません〟とか、そんな言葉だと思っていたから…
それ以外の言葉が放たれたことに、思わず間抜けな声を上げる。
「…私ね、少し前まで好きな人がいたの。
もう振られてるし、諦めもついてるんだけどね。」
「……うぇえ!?」
えぇ!?咲花って好きなやつ居たの!?
てゆーか今、フラれたって……
「どこのどいつだよ!
咲花を振るとかマジで見る目ねぇな!」
思わずそう大声を出す俺に、咲花は若干の苦笑いを浮かべた。