君のとなりで恋をします。─下─
「咲花!
週1…いや、月に1回でいいから…
俺とデートして!」
「えっ?」
「月に1回だけ、俺と恋人ごっこしよう!
…そんで、自分の気持ちがはっきりしたら、その時にまた返事聞かせてくれ!
もしそれで振られたら、その時はキッパリ諦めるから!!」
後半は、もうほとんど勢いだった。
今押すしかないと思った。
その戦略通り、勢いよく詰め寄る俺に咲花は目をパチクリとさせ…
…そしてゆっくりと頷く。
「葵ちゃんさえ良ければ…お願い、します。」
「よ、よっしゃぁぁあ!!」
こうして俺の勢いに押し切られる形で始まった、俺と咲花の〝月一恋人ごっこ(仮名)〟。
思いもよらず掴んだこのチャンス。
絶対に活かしてみせる!!
咲花の両手をギュッと握りながら、俺は闘志を燃やしていた。