君のとなりで恋をします。─下─









「…つーか、それ何?」








誤魔化すように彼が指さすのは、私が手に提げているビニール袋。


…そうだ、さっき来る途中でコンビニに寄って買ったんだった。









「あぁ、これね……差し入れ。」








私は袋をそのまま桜河に差し出す。












「…まじか、ありがと。」







「ゼリー、いっぱいあるから…

みんなで食べてね。」







「まじっすか!あざす!」






「成宮さん神じゃん!!!!」










私が部員たちにそう言うと、彼らからはやけにテンションの高い声が上がる。



ゼリー如きでこんなに喜んでもらえるなんて…来てよかったな。

そんなことを思う私の横で、桜河は少しムスッとしていて…










「お前らにはやんねーよ。全部俺が食う。」






「あほか、それ30個はあるからね。

お腹壊す気?」









まるで子供のように袋を抱え込む桜河に、他の部員達は大ブーイング。







< 341 / 495 >

この作品をシェア

pagetop