君のとなりで恋をします。─下─
「…つーか、それ何?」
誤魔化すように彼が指さすのは、私が手に提げているビニール袋。
…そうだ、さっき来る途中でコンビニに寄って買ったんだった。
「あぁ、これね……差し入れ。」
私は袋をそのまま桜河に差し出す。
「…まじか、ありがと。」
「ゼリー、いっぱいあるから…
みんなで食べてね。」
「まじっすか!あざす!」
「成宮さん神じゃん!!!!」
私が部員たちにそう言うと、彼らからはやけにテンションの高い声が上がる。
ゼリー如きでこんなに喜んでもらえるなんて…来てよかったな。
そんなことを思う私の横で、桜河は少しムスッとしていて…
「お前らにはやんねーよ。全部俺が食う。」
「あほか、それ30個はあるからね。
お腹壊す気?」
まるで子供のように袋を抱え込む桜河に、他の部員達は大ブーイング。