君のとなりで恋をします。─下─







「成宮さんが俺らに差し入れ持って来てくれたからって、妬くなよな!」






「そうだそうだ!

器の小せぇ男はモテないんだぞ!」






「アホか、これは俺への差し入れだ。

お前らはただの〝ついで〟だっつーの。」











そんな水泳部諸君の言い争いを、私は半分呆れながら見つめる。



てゆーか…桜河ってば、いつの間にこんなに他の部員と馴染んでたの?


前までは、水泳部でも浮いた存在だったみたいだし…

桜河と仲良かったのは、1つ上の吉良さんくらいだったよね?





最近はクラスメイトともよく話したりするみたいだし…

〝影山桜河は最近丸くなった〟という声も、よく聞く。





水泳部の部員たちと楽しそうに笑う桜河には、かつて〝狂犬〟と恐れられていた面影なんて全くなくて…


それが何故か嬉しくて、思わず笑う。








< 342 / 495 >

この作品をシェア

pagetop