君のとなりで恋をします。─下─








「何笑ってんだよ。」




「別にー?」









クスクスと笑う私に、桜河は少し不服そう。

大きな手がこちらに伸びてきて、そしてギュッと私の頬を摘んだ。









「いひゃいいひゃい!」








こやつ、女子の頬を思い切り抓りやがった!

彼の手から離れた頬は、じんわりと熱い。










「愛しの彼女が目の前で微笑んでるのに…

〝ハニーが笑ってる…可愛い!ドキッ…!〟とか、ならないわけ!?」










オネエ口調でそういう私に、桜河は若干引き気味。











「なんねーわ、アホ。


…つーか、なんだよそのテンション。

夏だからか?」







「夏とテンションの高さって、なんか関係あるの?」





 


「ほら、よく言うだろ。

〝暖かくなると変な奴が増える〟って…」







「え…?

もしかして私今、変質者扱いされてる…?」










たしかに最近勉強漬けで、頭もおかしくなりそうだったけど…

変質者扱いはひどくない!?











< 343 / 495 >

この作品をシェア

pagetop