君のとなりで恋をします。─下─
かつての居場所
しばらく水泳部の練習を眺めてから、室内プールを後にする。
休憩しすぎた…
そろそろ勉強しないとまずい。
どこで勉強しようかな、なんて迷いながら、とりあえず校門の方へと向かってみる。
ここまで来たんだから、このまま教室で勉強するのもアリだよな。
今から夕方まで頑張って勉強して…
そうしたら、桜河と一緒に帰れるかも?
いやー…でもそういえばさっき、〝部屋で待ってるね♡〟とか言っちゃったな。
そう言ったのにこのまま学校で待ってたら…
なんかそれって、〝待て〟が出来ない犬みたいじゃない?
あー…なぜだろう。
私を馬鹿にする桜河のニヤケ顔が脳裏に浮かぶ。
……うん、やっぱり帰ろう。
家で大人しく勉強して、桜河の帰りを待っていよう。
そう思い、歩みを進めようとしたその時…