君のとなりで恋をします。─下─
「────香純ちゃんっ!!」
背後からやけに聞きなれた声が聞こえた。
……この声は……
「まるちゃん!?」
振り返るとそこに居たのは、手に大きな紙袋を抱えたまるちゃんだった。
彼女は私を見るなり、嬉しそうにこちらに駆け寄ってくる。
「香純ちゃん、奇遇だね!
どうして学校にいるの?」
「勉強に飽きちゃったから…
桜河に差し入れを持ってきたの。」
「差し入れ!?」
私がそう言うと、その〝差し入れ〟という言葉になぜか彼女は目を輝かせて…
そして私の両手をぎゅっと握る。