君のとなりで恋をします。─下─
「…まるちゃん、私そろそろ─────…」
私がそう言いかけた時、体育館から誰かが出てくる気配を感じて…
私は咄嗟に顔を隠すように俯いた。
「はー!マジでだるい!
なんで俺らがドリンクなんか作らないといけねーの!?
こういうのは普通マネの仕事だろ!?」
「まあまあ。マネージャーがいなければ、俺ら一年の仕事なんだし…
バスケ部にはマネージャーなんていないものとして考えた方がいいよ。」
出てきたのは、大きなジャグを持った二人の男の子。
会話の内容からして、おそらく今年の春に入学した1年生なのだろう。
私がこの部にいたのは去年までだし…新一年生は、私の存在なんて知らないよね…。
そう安堵のため息をこぼした束の間だった。