君のとなりで恋をします。─下─
「────…おーい、1年。
ついでに濡れタオルも……
…─────香純さん?」
彼らを追いかけるように、タオルの入ったケースを手にした部員が体育館から出てくる。
名前を呼ばれて、背中に冷や汗が伝った。
彼の声には、聞き覚えがあったから…
「やっぱり、香純さんッスよね!?」
「…田浦くん……。」
嬉しそうに私の顔を覗き込むのは、バスケ部員の田浦くん。
私たちの一つ下の後輩で、マネージャーをしていた頃はそれなりに慕ってくれていた。
タイミング、悪……
もう少し早くこの場を離れていれば…
そんな後悔を持ちつつも、心のどこかでは少なからず嬉しい気持ちもあって…
こうして、またあのころと同じように話しかけてもらえることが嬉しかった。