君のとなりで恋をします。─下─
「キャプテェェェン!!
香純さんが帰ってきましたァァァ!!!」
「ちょっ…田浦くん!」
体育館入口で大声で叫ぶ彼に、中でシュート練習をしていた部員たちの視線は一気にこちらを向く。
もちろん、柊吾や…桃奈さんの視線も……
「え…香純?」
かつて仲間だった彼ら。
あの日、私に冷ややかな目を向けた彼ら。
そんな部員たちの視線すらも気にならないほど、私の瞳には柊吾しか映らなかった。
驚きながら…そしてどこか熱のこもった彼の瞳。
その視線に耐えられなくて、私は咄嗟に下を向く。
「…え、成宮……
気が変わって戻ってきてくれたの!?」
まっつんはわざわざ奥のコートからこちらまで駆け寄る。
そのあまりにも嬉しそうな瞳に、私の胸はなぜか罪悪感でいっぱいになって…