君のとなりで恋をします。─下─
「え…別にいいけど…
なんで私?」
私、もうバスケ部関係者じゃないんだけどな…
「テーピング巻きで香純さんの右に出る者はいませんから!」
大袈裟なほど褒める彼に、正直私も満更でもなかった。
だけど何となくそれを悟られたくなくて、私は平然を装って彼からテープを受け取る。
「どこに巻くの?」
「左手の人差し指です!」
「手、出して。」
テープを伸ばし、彼の人差し指にクルクルと巻き付けていく。
テーピングを巻くのなんて、部活をやめて以来だ。
だけど不思議と、体は覚えているもので…