君のとなりで恋をします。─下─
「あの…
私がボール磨きやろうか?」
あまりにも雰囲気の悪すぎるこの状況に見かねて、私はそんなことを口走っていた。
このチームの最大の持ち味はチームワークだし…
これ以上雰囲気が悪くなれば最悪だ。
…それに、自分で自分の首を絞めている柊吾を、これ以上見ていられなかった。
「え、いや……いいっすよ。
お客さんに、そんなことさせられません。」
遠慮気味にそう言う1年生たちに対して、私はできるだけ柔らかい笑顔を作る。
「いいよいいよ。
私、こういう作業結構好きだし…
…それに、先輩たちのプレーを見るのも勉強のうちだよ。」
私がそう言うと、1年生たちは元気よく「ありがとうございます!」とお礼を言った。