君のとなりで恋をします。─下─








私は籠いっぱいに詰まったボールを引っ張ってくると、開始された紅白戦を横目にコートの外でせっせとそれらを磨く。


体育館内に響くドリブルの音や、バッシュが床に擦れる音がやけに耳につく。










「…ごめんね、まるちゃん。

せっかくバスケ部の練習見に来たのに…」








私が謝ると、彼女は裏表のない無垢な笑顔を見せた。










「ううん、いいの。

少しでも松井くんの役に立てるなら、すごく嬉しい!


…それに、ボールを磨きながらでも試合は見れるし!」








「まるちゃん…いい子すぎ…

感激…好き…」









カタコトな日本語で話す私に、彼女は「何それ(笑)」と楽しそうに笑う。












< 370 / 495 >

この作品をシェア

pagetop