君のとなりで恋をします。─下─
私は籠いっぱいに詰まったボールを引っ張ってくると、開始された紅白戦を横目にコートの外でせっせとそれらを磨く。
体育館内に響くドリブルの音や、バッシュが床に擦れる音がやけに耳につく。
「…ごめんね、まるちゃん。
せっかくバスケ部の練習見に来たのに…」
私が謝ると、彼女は裏表のない無垢な笑顔を見せた。
「ううん、いいの。
少しでも松井くんの役に立てるなら、すごく嬉しい!
…それに、ボールを磨きながらでも試合は見れるし!」
「まるちゃん…いい子すぎ…
感激…好き…」
カタコトな日本語で話す私に、彼女は「何それ(笑)」と楽しそうに笑う。