君のとなりで恋をします。─下─
「松井くん、またね!」
遠慮気味に手を振る彼女の声は少し震えていて、髪の隙間から覗く耳は真っ赤だった。
「おー!またね!」
元気よく手を振り返すまっつんに、彼女の横顔はとても嬉しそうで…
なんか、可愛いな。
…なんて微笑ましく思っていると、今度は柊吾が私に1歩歩み寄る。
「香純。…またいつでも来て。」
「待ってるから」と微笑んだ柊吾の顔は、さっきよりも穏やかになったような気がした。
「うん。
それじゃあ、頑張ってね。」
「お邪魔しました〜。」
私とまるちゃんはバスケ部員たちに見送られながら、体育館を後にした。