君のとなりで恋をします。─下─





妬ましくて、鬱陶しくて、大嫌いな成宮香純。

その女から、私がすべてを奪ってやった。







あの幼馴染みたちの絆の固さは、正直想定外だったけど…



まぁ、それでもいい。

バスケ部も、柊くんも…今まであの女が独り占めしていたものは、全て私のものになったのだから。





だって、ズルいもん。

あの女は、無償の愛を注いでくれる家族も、親友も幼なじみも、仲間も恋人も…

私がこれまで望んでいたものすべてを持っている。



そのうちの一つや二つ、私に譲るのは当然のことだ。















………それなのに、何故こんなにも満たされないんだろう。



柊くんは以前よりも私のそばに居てくれる時間は増えた気がするし…

バスケ部員からも、〝可愛いマネージャーだ〟ともてはやされる。





ずっと、私を必要としてくれる誰かが欲しくて…

現に今、この人たちは私を必要としてくれているはずなのに…



私の心は満たされなくて、むしろ虚しい。












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