君のとなりで恋をします。─下─
「香純。…またいつでも来て。
…待ってるから。」
……やめて!
なんでそんな愛おしそうな目でその女を見つめるの?
その女は…柊くんを捨てたのに!
柊くんを傷つけたのに!
やめてよ…
私の居場所を奪わないで。
バスケ部のみんなも柊くんもいなくたって、あんたには他に必要としてくれる人がいるじゃない。
ずるい…ずるいずるいずるい!
なんでみんな、あの女ばっかり…
何もかも持っているのに、どうして私の居場所まで奪おうとするの!?
私はただ、誰かに必要とされて…
愛してもらいたかっただけなのに…
あの女のせいで、私の望みは叶わない。
あの女がいるから、誰も私を見てくれないんだ……。
あぁ…そっか。
……あの女さえ、消えればいいんだ。