君のとなりで恋をします。─下─
…そう、頭ではわかっているのに……
抱きしめた時の温もり。
力を入れると折れそうなほど華奢な肩や、鼓動の速さ。
柔らかい唇も、真っ赤に照れた顔も……
香純の隣で過ごす幸せな時間を、もう知ってしまったから…
……簡単には、手放せねぇよ…。
少し前までは〝香純が幸せならそれでいい〟って、本気で思えていたのに…。
俺はいつの間に、こんなにも欲張りになってしまっていたんだろうか。
離れたくない…離したくない…
出来ることなら、ずっとそばに置いておきたい。
なぁ、香純…
俺はどうしたらいいんだ?