君のとなりで恋をします。─下─








「…ただいま。」





「おかえり。

…昨日は、約束破ってごめんね。」





「…あぁ。」











いつも通りに会話を続けようと試みるけど、彼の返答はどこかぎこちない。




桜河、元気ない。

何かあったのかな…?水泳のこととか…?





もし何かあったなら、話を聞いてあげたいけど…


桜河が話すまで待った方がいいかな?

それとも、話すキッカケを作った方がいい?




私はその二択で数秒迷った末、後者を選ぶことにした。











「桜河、何かあった?」





「別に、何もねぇけど。」





「私、昨日のことで話があって待ってたんだけど…

出直してきた方がいいかな?」






「いや、いい。

俺も、話があるし…」










〝話がある〟

そう言った桜河は、終始視線を落としていて…

相変わらず私と目を合わせようとはしない。









< 421 / 495 >

この作品をシェア

pagetop