君のとなりで恋をします。─下─
「…ただいま。」
「おかえり。
…昨日は、約束破ってごめんね。」
「…あぁ。」
いつも通りに会話を続けようと試みるけど、彼の返答はどこかぎこちない。
桜河、元気ない。
何かあったのかな…?水泳のこととか…?
もし何かあったなら、話を聞いてあげたいけど…
桜河が話すまで待った方がいいかな?
それとも、話すキッカケを作った方がいい?
私はその二択で数秒迷った末、後者を選ぶことにした。
「桜河、何かあった?」
「別に、何もねぇけど。」
「私、昨日のことで話があって待ってたんだけど…
出直してきた方がいいかな?」
「いや、いい。
俺も、話があるし…」
〝話がある〟
そう言った桜河は、終始視線を落としていて…
相変わらず私と目を合わせようとはしない。