君のとなりで恋をします。─下─
ねぇ、桜河…。
私…アンタのこと、どれだけ傷つけてた?
いつだって誰よりもそばにいてくれたのに…
いつしかそれは私にとって〝当たり前〟になっていて…
自分の中にあるうやむやな気持ちと向き合おうとしないまま、当然のように桜河のそばに居座っていた。
その私のワガママが、桜河を傷つけてたんだよね。
ごめん、桜河…。
バカで、無神経で…本当にごめん。
私ももう、自分の気持ちがわかんないよ…
「傷つけて、本当にごめんね…。
今までありがとう…。」
桜河と別れたくないというのが、私の本音だった。
だけどこんな中途半端な気持ちで、桜河の隣にいる資格なんてない…。
誰よりも優しいこの人を、これ以上傷つけるなんて許されるわけない…。
私はこれまでのお礼と謝罪の言葉を残して、静かに部屋から出た。
部屋を出た途端、涙が溢れ出す。
扉の向こう側からも、微かにすすり泣くような声が聞こえた気がした。
傷つけてごめん…
泣かせてごめん……
…そばに居てくれて、ありがとう…。
こうして、私の二度目の恋は呆気なく終わりを迎えたのだった。