君のとなりで恋をします。─下─
第八章
それから
暑かった夏も終わり、秋がやってきた。
もうすっかり涼しくなり、制服も夏服から冬服へと変わった。
「香純。お待たせ。」
ほとんど誰もいなくなった教室で一人黙々と机に向かっていると、待っていた人物が姿を現す。
「おかえり、柊吾。」
「ごめん。委員会、結構長引いた。」
申し訳なさそうにこちらに駆け寄る柊吾に、にこりと笑いかける。
「勉強してたから、全然平気だよ。」
「よかった…行こうか。」
「うん。」
私は机に広げていたノートや筆箱をカバンに仕舞うと、柊吾と肩を並べて教室を後にした。