君のとなりで恋をします。─下─







「ねぇ、柊吾。

本当に私がバスケ部の引退会に参加してもいいの?」






「うん。来て欲しい。

松井が、絶対に香純を連れて来いってうるさくてさ…」






「う〜……なんか行きづらいなぁー…」







「そんなに気張らなくても大丈夫だよ。

ただみんなで騒ぐだけだろうし。」










そう言って笑う柊吾に、私も小さく笑い返した。




あの騒動のことは、顧問の先生の報告によりもちろん校内でも取りざたされた。

理事長たちから部員に対する聞き取りも行われて…




しかし、直接的な被害者である柊吾が〝転んで頭を打った〟の一点張りだったこと…

そして部員の誰からも暴力が行われたという証言が得られなかったこともあり、あの騒動はあくまで〝疑惑〟で終わった。




そのおかげで紅羽高校バスケ部が大会出場停止処分を食らうことも無く、無事に解決することができた。






大会の結果は、惜しくも予選敗退。

全国大会に出場する夢は叶わなかったけど…彼らは高校3年間捧げてきた青春を最後まで全うすることが出来たのだ。








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