君のとなりで恋をします。─下─
ポツリポツリと並ぶ街灯。
決して明るいとは言えない田舎道を、二人で肩を並べて歩く。
静かな町に響くのは、遠くに聞こえる車の音と私たちの足音だけ。
「柊吾も、みんなと旅館に泊まるんだよね?」
「うん。
みんなで集まれるの、次はいつになるかわからないし…。」
「そうだよね。これから受験シーズンだし…
…私も、またみんなと騒げて楽しかった。
誘ってくれてありがとね。」
私がそうお礼を言うと、柊吾はどこか安心したような表情を見せて…
そして、柔らかく笑った。
「よかった…。
本当は松井に香純を連れてくるように言われた時、誘うべきか迷ったんだ。」
「香純がバスケ部に居られなくなったのも、元はと言えば俺のせいだし…」
そう呟いた彼に、胸が締め付けられる。