君のとなりで恋をします。─下─
「なんで…桜河が……」
「なんか、袋持って家の前に立ってたから…
家に入ってもらった!」
〝家に入ってもらった!〟って…
どうせ、楓真が強引に連れて入ったんでしょ…。
そして1度我が家に入ってしまったら、お母さんと楓真が絶対に帰そうとしないはずだ。
「桜河…何の用だったの?」
「なんか、梨のおすそ分けだってさ。」
楓真と一緒にリビングに入ると、桜河が持ってきたと思われる袋が目に入る。
「桜ちゃんが持ってきてくれた梨、今から切って食べてみよっか!」
母はお気に入りの桜河が久しぶりに来てくれたことに、ご満悦の様子。
鼻歌なんか歌いながら、袋の中身を漁る。