君のとなりで恋をします。─下─
ひたすら問題集に向き合うこと約2時間。
私も咲花もそろそろ集中力が切れ、問題を解く手が止まってくる頃だ。
あー…もう無理…。
疲れた、休みたい…。
一度切れた集中力を回復させるのには、休憩と糖分が一番だよね。
限界に達した私は立ち上がり、咲花に声をかける。
「咲花、そろそろ休憩する?」
「うん、するー。…疲れたねー…。」
私の言葉に彼女はホッとしたように息を吐き、大きく伸びをした。
「何か温かい飲み物でも淹れてくるよ。
紅茶、コーヒー、ココア…どれがいい?」
「ココア!今はとにかく糖分が欲しい〜…」
「おっけー!任せて!
激甘なやつ作ってくるね!」
「ありがと〜。」
ぐでっと机に伏せる咲花を部屋に残して、私は一階のダイニングへと向かう。
土曜日にもかかわらず、父は店番。
母はフラワーアレンジメントの教室に講師として行っている。
楓真も寮から帰ってきていないし…
今日は家には誰もいないのだ。