君のとなりで恋をします。─下─
「私たち、月に1回デートしてたでしょ?」
「うん、してたね…」
「今月のデートはどこに行くか聞いたら…
〝咲花の受験の邪魔したくないから、しばらくは会うのやめる〟って言われちゃって…」
「うん…」
…へぇ、意外。
葵斗って、ちゃんとそういう所も気遣えるんだ…。
そう出かかった言葉を、私はぐっと堪えた。
「その時私〝寂しい〟って思っちゃって…
〝葵ちゃんに会えば、勉強の疲れなんて一気に吹き飛んじゃうのにな〟って…」
最後は少しだけ小声になりながら、顔を赤らめて恥ずかしそうにそう言う咲花の手を私はギュッと握った。