君のとなりで恋をします。─下─
「そっか!おめでとう!(?)」
「香純ってば、気が早すぎ(笑)
まだ付き合ってもないのに…」
「でも、告白するんでしょ?」
「…うん。大学が決まったら…」
そっか…そっかそっか!
ついに葵斗の長年の思いが叶うのか!
あー…やば…
なんか、私が泣いちゃいそうだ。
娘を嫁に出す父親の気持ちってこんな感じなんだろうか?
よかったね。葵斗、咲花…。
「応援する!!
絶対に幸せになってね!」
満面の笑みでそう告げると、咲花も小さく笑った。
「うん、ありがとう。」
彼女の笑顔はほんの一瞬で消えてしまって…
幸せいっぱいなはずの咲花の表情は、どこかくもっているように見える。
どうしたんだろう…
何か不安でもあるのかな…?
そう尋ねるべきか様子を伺っていると、彼女は一度視線を落とし、意を決したようにゆっくりと口を開いた。