君のとなりで恋をします。─下─
「私も…香純には幸せになって欲しいな。」
「え…?私?」
予想外の咲花の言葉に、私は戸惑う。
「本当はもう、自分が誰を好きなのかわかってるんじゃないの…?」
真っ直ぐに私を見つめてそう言う咲花。
…正直、ドキリとした。
だって、自分の卑怯な心を読まれたのかと思ったから。
受験がどうとか…自分の気持ちが分からないとか…
そんな言い訳ばかりを並べて逃げて…
本当はただ、この恋に結論をつけてしまうのが怖かっただけなのかもしれない。
もうとっくに、自分が本当は誰を想っているのかなんて、わかっていたはずなのに…