君のとなりで恋をします。─下─
「柊吾…電話……?」
おそらく柊吾のスマホ。
テーブルの上でバイブする黒い板が視界に入る。
私がそちらを指さすと、彼は小さく首を横に振った。
「…出なくていいの?」
「うん。
…今は、香純だけに集中したい。」
少しだけ頬を染めながらそんなことを言う柊吾が可愛くて…
頬、首筋、鎖骨へと順番にキスを落としていく彼に応えるように、私もしがみつく。
それでも、一向に鳴り止まない着信音。
一度止まったと思えば、再び鳴りだして…
このままでは、この音が嫌いになってしまいそうな程のしつこさ。