君のとなりで恋をします。─下─
ダメージ
野菜を刻む心地よい音で目が覚める。
あまり覚えのない木目の天井と、畳の香り。
あれ…?
私、たしか昨晩は桜河の部屋で泣き疲れて…
そこからの記憶が無い。
目覚めた場所は、影山家一階の客間。
おそらく眠ってしまった私を、桜河がここまで運んでくれたのだろう。
ゆっくりと体を起こすと、頭に激痛が走る。
「ゔっ……頭割れそう…」
昨日あれだけ泣いたせいか、頭が痛くて気持ち悪い。
今日…月曜日か……
昨日の今日で、柊吾に会うのは気まずいけど…
休むわけにはいかないよね…。
1回家に帰って、制服に着替えないと…
現在の時刻を確認するため、壁にかけられた時計を見上げる。
…え?