泣いて、凪いで、泣かないで。
「ちょっとキツイこというけど、犠牲になるっていう言い方も、結局は自分を守るためなんだよね。偽善者ぶってるっていうか、悲劇のヒロインっていうか。
それもそれで、自分が良ければいいけど、きっと良いって思いたいだけなんだよね。良いなんて思ってない。だから、迷うんだよ。
今、美凪ちゃんは自分の人生は悲劇の連続で、それを心のどこかで楽しんじゃってる。悲劇のヒロインの自分の方が居心地が良いって、脳が判断しちゃってるから、そういう道を選択してるんだと思う。
だからね、こんなのもう嫌だ、悩みたくないって思うならさ......」


青空ちゃんが顔を上げて私の瞳を見つめ、にっこりと微笑んだ。


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