泣いて、凪いで、泣かないで。
雨風と、君に、揺れる。
その日は雨が降っていた。

これからひどくなるらしく、オレは先生と相談し、大会前ではあるが、いつもより早く部活を終わらせることにした。


「それにしても、すっごい雨だねぇ」

「だな」

「今日は傘持ってきたんだもんね。良かったぁ」

「つうか、朝から降ってたし」

「あっ、そうだった!てへへぇ」

「何がてへへぇだ。ちょっとは危機感持てよな」

「ごめ~ん」


ったく、こんなに雨が降ってるっつうのに、この余裕はなんだ?

見た目がふわふわな汐衣愛がビビりじゃないことに、ちょっと驚いた。


「吹部はまだ終わらないのかなぁ?」

「夏綺は真面目だからなぁ。まだやってるんだろう。夏綺が部長だと色々と大変そうだな。完璧主義者だし」

「でもさぁ、中学の時はみーちゃんも吹部だったけど、楽しそうにしてたよぉ。みーちゃん、なんで高校でやらなかったんだろ?」

「どうせ、もう飽きたんだろ」

「飽きたのぉ?そぉなのかなぁ。今度聞いてみよっと」


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