泣いて、凪いで、泣かないで。
「結人、久しぶりじゃねぇか!」

「おう」

「なっちゃんもおひさ~」

「ふふっ。しーちゃんは相変わらずね」

「えっへん!」

「威張ることじゃないだろ」

「はぁい、そぅでしたぁ」


汐衣愛がケラケラと笑い、それにつられて皆も笑った。


「お2人さんはこの後どっか行くの?」

「あのねぇ、今日はこれからお買い物なの!そこでね、夏祭りに着ていく浴衣買うんだぁ。今から楽しみだよぉ」

「奇遇だな。俺達も浴衣買いに行くんだよ」

「じゃあ、皆で行こう!大人数の方が楽しいしぃ」


いや、待て。

それはこういう場合には当てはまらないんじゃないのか。

2人の邪魔になる。


「夏綺どうする?」

「しーはなっちゃんと一緒に行きたい!」

「それなら、一緒に行こうか」

「やったぁ!よろしくなっちゃん!なっちゃんはセンス抜群だから、頼もしいよぉ」

「それはありがと」

「どおいったしましてぇ」


汐衣愛は夏綺の手を引き、ずんずんと前を行ってしまう。

俺と煌人は呆然とその様子を見ていた。


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