泣いて、凪いで、泣かないで。
「うわぁ、めっちゃドキドキする」

「爽くん頑張ってたし、きっと大丈夫だよ」

「えぇ、待って。怖い」

「怖くないよ。見るだけじゃん」

「文字の羅列が恐怖過ぎるんだよぉ。オレさ、活字ほんと嫌いなんだよぉ。活字恐怖症だからさぁ」

「ふふっ。何それ」


話すようになって気付いた。

爽くんは見た目がチャラいし、女性慣れしてる感じで危険人物かなって思っていたけれど、全然違っていた。

天真爛漫で危なっかしいところもあるけれど、真面目で研究熱心。

そして、一緒にいて楽しくて面白くて、気づいたら笑顔を運んでもらっている。

ちょっとしーちゃんに似てるんだよね。

だから、すぐに馴染めたし、安心して話せるんだ。

外見でその人の性格を推し量って先入観で人を見ちゃいけない。

それもこの数ヶ月で学んだことだ。


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