泣いて、凪いで、泣かないで。
「よしっ、開けます」

「うん」


クリアファイルから3つ折りになった紙を取り出し、恐る恐る開く爽くん。

さぁ、結果は...。


「せーのっ!.........うぉ~っ!っしゃあ!全部合格!しかも国語は88点!8割超えなんて初めてだよ!」

「すごいね!良かった...。ほんと、良かったよ!」


爽くん、1回だけで終わって良かった。

これで8月のサーフィンの大会へ向けての練習も気兼ねなく出来る。

私も自分のことのように嬉しくてほっとして胸を撫で下ろした。


「美凪ちゃんのお陰だよ。ほんと、ありがとう!そうだ。なんかお礼しないと」

「いいよ、お礼なんて」

「いや、ダメだよ。そういうのはちゃんとしないと。ねぇ、何がいい?」

「そう言われても...」


お礼をもらえるなんて思っていなかったから、私は何も考えていなかった。

誕生日も9月だからまだ先だし...

う~ん、どうしよう。


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