泣いて、凪いで、泣かないで。
「じゃ、風呂の時呼んでくれ」


俺のその言葉に、


「はーい」


と母は返事をしてくれたが、


「ふんっ」


と結月はそっぽを向いた。

結月には完璧に嫌われてしまった気がするが、仕方がない。

結月は美凪のことを本当の姉のように慕っていて、俺が美凪を拒んで追い出したようなものだから。

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