泣いて、凪いで、泣かないで。
―――ブーブーブーブーブー...


「んん...」


スマホのバイブが激しくなっている。

枕元のスマホに手を伸ばす。

眠い目をこすり、電源を入れるとまず時刻が15時12分なのに驚き、そして、電話が汐衣愛からだということに尚更驚き、俺は跳ね起きた。

いつの間に寝落ちしてたんだよ、俺...。

頭をかきむしり、顔をパンと叩いてから画面をタップし、俺は電話に出た。


「はい、もしもし...」

「もしもし、ゆっと?あのね...」


電話口の汐衣愛の声は、

震えていた。







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