泣いて、凪いで、泣かないで。
「実はね、さっきの彼、わたしの幼なじみでね、颯翔(さやと)って言うの。いつも勉強を教えに来てくれていたんだけど、今日はお友達が引っ越しの日なのに、それでも来たみたいで、わたし、叱ってあげた」

「えっ?」


青空ちゃんは青く青く清み渡る大きな空を窓越しに見つめながら、自分の記憶をなぞるように話し出した。


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