泣いて、凪いで、泣かないで。
泣いて、凪いで、泣かないで。
電話を受け、俺は走った。

美凪が汐衣愛を庇って山内と戦おうとし、海に落ちたらしい。

汐衣愛は動揺していたようだが、近くのおじさんやおばさんに助けを求め、警察にも連絡し、今は漁港の事務所にいる。

美凪が落ちた場所は、かつて俺達が遊びに使っていた廃工場の辺り。

全速力で駆け、着いたのは汐衣愛から連絡があってから20分後くらいだった。

現場と思わしき場所にはパトカーが2台停まっていて、漁船も3隻出ていた。


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