泣いて、凪いで、泣かないで。
そして、

10回を少し越えたところで俺の視界に、あのミサンガが映り込んだ。

美凪の手からほどけて流れてきたのだろう。

俺はそれを掴み、下を見た。

暗くて良く見えないが、

あの日の......ワンピース、だ。

俺は急いで浮遊し、近くの漁船のおじさんに声をかけた。

数十メートル先にいたダイバーが俺の元へ泳いでくる。


「この下にいたはずです。お願いします...」


ダイバーは頷き、深く深くへと潜っていった。

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