泣いて、凪いで、泣かないで。
「美凪!俺が助けるから、美凪も頑張ってくれよ!」


そう言って酸素を送る。


「目、覚ませよ!いつまで...いつまで寝てんだよ!」


また酸素を送る。

何度も何度も繰り返し、

泣きそうになるのを堪えながら、

ただひたすら俺は美凪に酸素を与え続けた。

当たり前にあって、なくなったら生命にかかわるもの。

そんな酸素みたいなやつが、

俺にとっては、

美凪だったんだって、

やっと、

やっと、

やっと、気付いたんだよ。

なのに、なんで、

どうして、

どうして、俺から離れていくんだよ...。

いなくなるなよ。

死なないでくれよ。

頼む......

生きてくれよ。


「美凪っ!!」


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