泣いて、凪いで、泣かないで。
シスコン?!

俺が?!


「はあ?!」

「いいじゃん。悪いことでは全然ないと思うよ」

「美凪......お前......!」


俺は美凪の頬をつねった。

幼稚園の頃からのお馴染みの攻撃だ。


「いったぁ...」

「ったく、余計なこと言いやがって」

「だって本当のことじゃん」


本当のことだと?!


「もう1回やられたいのか?!」

「やられたくないよー、だ!」

「バカにしやがって!ケーキやらねえからな!」

「もらわなくたって良いし。どうせゆづちゃんのためでしょう?いいよ、それなら」


美凪はそう言って、本当に帰ろうとリュックに手をかけた。

なんでマジでキレてんだよ。

冗談だって。

美凪、お前が1番良く分かってるだろ。

...待てよ。

待てって。

話を最後まで聞け。


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