泣いて、凪いで、泣かないで。
いつの間にか私は2人の後ろを黙って歩いていた。

私の入るスペースなんてない。

この2人は赤い糸で結ばれていて切っても切り離せないのだから。

そう。

だから。

だから、あの日々は奇跡だったんだ。

希に見る、奇跡ってやつだったんだ。

私はその奇跡を......

自ら終わりにしてしまったんだ。

その事実は、

いくら苦しんでも、悲しんでも、変わらない。

目の前の事実も変わらない。

変わって欲しいものさえ、

私の回りのものは現状維持だ。


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