カタオモイ同盟
「ねえ聞いてよ、昨日彼氏がさー」
ユカリが、ウェーブのかかった長い茶髪を、くるくると右手の人差し指に巻きながら、そう話し始めた。
また始まったよ、彼氏自慢。そんなに優越感に浸りたいの?悪いけど、私はユカリのこと、全然羨ましいとは思わない。
ユカリに彼氏ができてからというもの、ユカリが口を開けば出てくるのはいつも彼氏の話題ばかり。いい加減に耳たこだ。心の中で溜め息をつく。
そりゃ、恋愛に全く興味がない、って言ったら嘘になる。私だって、そういうのに憧れてはいるけれど。
ユカリみたいに、顔はよくてもお飾りの彼氏なら、私はいらない。彼氏ならなんだっていいってわけじゃないから。
本当に好きな人と、両想いになって、初めて成立する関係。そういうものでしょ?カレカノって。
私は、ちゃんと、恋がしたい。
好きな人と想い合う、素敵な恋が。
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