無気力さんと同居するらしい


「…てかすごい勢いでこっち走ってきたけど、あの距離で俺って分かったの?」

不意に真琴君がそんなことを言った


…走って?

あー…さっきか

真琴君を見つけた時だ

ものすごい勘違いをして迫って行ってしまったんだ


「…えっと、そうじゃなくて、その勘違いと言いますか…」

すっごい恥ずかしいのだが

ちゃんと勘違いなんですよね、はい

「…真琴君と、ある人を見間違えただけなの」

「…ある人?」


…まあ、気になるよね

「本当、くだらないんだけど…中学の頃、数日間だけ一緒にバスに乗った男の子がいたの。その子のことがどうしても忘れられなくて」

「…ばす?」


…そう、バスだ

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