無気力さんと同居するらしい
洗い物はやらせてくれと頼んでお皿を洗う
…
私が思っているよりも
真琴君は
暖かい人なのかもしれない
チラリとソファに座るその影を見た
…その瞬間
バチン!!
!!?
電源が切れたみたいに視界が真っ暗になった
お皿と一緒に手を濡らしていた水の気配がなくなる
テレビの音も光もブチっと切れる
て、停電!?
理解するのにそう時間はかからなかった
「うわ、びびった、停電?」
「…っぽいですね」
唐突に色の変わった視界
何も見えなくなって体が強張る
台風のせい?
そんなにひどい?
確かに絶えず雷の音は聞こえていたけど…
私は、雷怖いぴえん系女子じゃないからあんまり気にしてなかった
でも…雷と停電は別…
「おい、大丈夫か?」
「…あ…は、い」
私…暗いところはダメなんです
さっきもバスの男の子の話をしてる時にチラッと口にした気もするけど
暗いところ…苦手なんです
暗所恐怖症なんです…
冷や汗がこめかみをつたう
ましてや慣れない家、構造なんてまだ理解しきってない
…身動きが完全に取れない
……まことくん?
いるよね?
大丈夫だよね?