無気力さんと同居するらしい


放課後


あーもう!今日は早く帰ろうと思ってたのに!

先生の馬鹿!
仕事は好きだけどさぁ!


先生に頼まれて委員会の書類の整理をしてたんだけど

まさかまさかの先生がまとめる書類を間違えてたらしく、1からやり直すことになってしまった

自分の仕事は最後までやりきるのが私のモットーだからちゃんとやったけど!

だいぶ遅くなってしまった

今夜お母さんがフランスに行っちゃうから早く家に帰ろうって思ってた矢先これだよ!

まったく!ついてないな!


「いやーすまんかったな天宮」

先生があははと笑う

「もーいいです!さようならっ」

バンっと教室を出て駆け足で廊下を進む

ひぃー!早く早く!!

だんだんと上がるスピード

私の頭には真っ直ぐ家に帰ることしかなかった


『廊下は走らない』
を、忘れていた私は

一階まで階段を駆け下りて、下駄箱の角を曲がった瞬間


ドン!!

「うぎゃ!」

「おわ」


曲がった先にいた誰かに勢いよくぶつかり、体制を崩して鞄を落としてしまった



わ、私廊下全力疾走してた上に前見てなかった!

「ごめんなさい!不注意でした!」

まだぶつかった相手が誰かもわからないまま勢いよく頭を下げる

結構な力でぶつかってしまった…


「いや、こっちこそごめんね。僕も不注意だったよ」



この優しい低音ボイスは…まさか

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