無気力さんと同居するらしい
ガチャ
しばらくして
リビングの扉が開き真琴君が入ってきた
え
「早くない?」
「何が」
「お風呂!ちゃんとあったまってる?」
「あったまってるよ」
「早すぎるでしょ」
「いつもこんなもんだし」
ええー!
病み上がりなんだからもう少し時間かけて入ってきなよ
まだお風呂入ってから1ページも経ってないんだけど
「もう出たから仕方ない」
めんどくさそうに言う
「長風呂だるいし」
この無気力野郎
「じゃあちゃんと髪乾かして」
私に言ったみたいに
「俺は女子と違ってすぐ乾くから大丈夫」
「大丈夫じゃない、座る、乾かす!」
さっきと完全に真逆になってる立場
その事に気がついたのか
真琴君はその綺麗な顔を崩して小さく笑った
ドキッと今日何度目かの慣れない音を立てた心臓には気づかないふりをした
「だるい、めんどい、乾かして」
「なっ!自分でやりなさい!」
「えー」
…んだが
やれって言ってもやらなさそうな同居人を見る
まぁまた風邪ひかれても困るし、それだけだし
別に…髪に触ってみたいとかじゃないけど
…
「…じゃあ、軽く乾かしてあげるからこっち来て」
「…え、まじ?」
「い、嫌ならいい」
「…嫌じゃない、やって」