無気力さんと同居するらしい


職員室までの道のりを並んで歩く


「なぁ梓」

不意に蒼馬が口を開く



「…お母さんとは連絡取れてんの?」

あー…

「お母さんの仕事が安定するまでは難しいかな」


おばあちゃんの穴を埋めるのは当然のこと、さらには慣れない場所での生活もあるし

てんてこまいだと思うから

「邪魔はしたくないの」

寂しくないと言ったら嘘になるけどね


心配してくれたのかな

蒼馬は優しいなぁ

思わず崩れた表情で蒼馬を見た


「…俺が言うのもなんだけどさ」



「たった1人の大切な娘からの連絡を邪魔だなんて思うわけないと思うよ」



「お前が会いたいって思うように、きっと梓の母さんも会いたいって思ってるから…たまには甘えてみてもいいんじゃないか?」

「甘える…?」

「梓は気張りすぎなんだよ」

気張る…


うわっ!

ぽけっとしていたら蒼馬にほっぺをつままれた

「そ、気張りすぎ。もっと気ぃ抜け」

へ?

「ひをぬふ?(気を抜く)」

…難しいな

力を抜けばいいのか?


「梓って馬鹿っぽいのに無駄に精神年齢高すぎて変なとこで気を使うんだよ」

なっ!?

「はかっほいってひっは!!」

「なんだってー?」

「は、馬鹿ってひった!」

「あっはは!間抜け面!」


むぅ!

ほっぺをつままれてうまく喋れない私をみて笑う蒼馬

なんだこのやろう

楽しそうにしやがって

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