無気力さんと同居するらしい


恐る恐る顔を上げてその人物を視界に入れた

…う、うわぁやっぱり

私がぶつかったのは、紛れもない我が学校のプリンス

織原真琴くんだ…


わわ、私は何と無礼なことをしてしまったのだろうか

王子にぶつかるとか
他の子に見られてたら絶対火で炙られるやつじゃんっ

「大丈夫?」

だけどそんな無礼極まりない私にもイケメンスマイルを向けてくれる紳士くん

「本当ごめんなさい!怪我はないですか?私かなりの勢いでタックル決めちゃったんですけど」

「ふふ、タックルって」

わ、笑った…

何だその自らが発光しているようなスマイルはっ!

眩しい!眩しいぞ!(落ち着け)


「君こそ怪我はない?あ、これ落としたよ」

は!!

しまった!王子にカバンを拾わせるなんて!

「ああありがとうございます!本当ごめんなさい!以後気をつけます!」

勢いよくお礼と謝罪を言ってとっとと帰ろうと前を横切った時


「天宮ぁ!」

びくっ!

大きな声で名前を呼ばれて足が止まった

え、何!?


「…あまみや?」

ん?

ボソリと織原くんが何かを呟いた気がしたけど…


「天宮!お前携帯忘れてるぞ」

へぁ?

さっきまで一緒に雑用していた先生が私のスマッホを片手に追いかけてきた

ああ!忘れてたぁ!

「うわあ!ありがとうございます!」

「ったく、しっかりしろよー」

…書類間違えてた先生には言われたくないな

「はーい!すみませーん!」

先生に雑に返事をして、織原くんに軽く一礼して今度は早歩きで退場


「…」


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