無気力さんと同居するらしい


「…梓」

…そ、蒼馬

「知り合いじゃないって言ってなかった?」

うぐ

「名前で呼ばれるくらいの仲?」

うぐぐ


考えろ

考えろ梓

ナイスな言い訳を考えるんだ


「…なぁもしかして」

全力で目を泳がせていた私の顔を覗き込む蒼馬

その無駄にハンサムな顔立ちに見つめられ、暴れていた視線が停止する


「同居相手?」


グフォッ!

「ゲホッゴホッゴホッ…」

90度顔を回してむせかえる

「わかりやすいな…お前」

蒼馬が呆れて言う


バレちゃったじゃんか!馬鹿野郎!!

これは私悪くない!

真琴くんのせいだからね!


「いや…その」

「まあ仕方ないか、あの織原真琴が相手じゃそう簡単には言えないよな」

そ、蒼馬ぁ!涙

「でも隠すんならもう少し上手くやれよ」

そ…蒼馬ァ…泣

「こ、このことは」

「わかってるよ、誰にも言わない」

「ありがとう…」


はぁ…

ほんっと馬鹿真琴野郎

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